「Wiki」は「ウィキペディア」の略語ではない

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もう何年もウィキペディアの「中の人」をやってきているので、「Wiki」とはあくまでもウィキペディアそのほかWikiサイトを実現するためのシステムのことだということが当たり前になっている一方、初心者やもっぱらウィキペディアを閲覧する人が「ウィキ」と略すことにも抵抗はない。

しかしながら、それはあくまでもとりあえず検索してウィキペディアの記事がヒットしたから読んでるよ、というバックグラウンドを持つ人だからそういう反応ができるのであって、仮にも「ソーシャルメディア」を取り上げて文章書いて飯食おうとしている人が、「ウィキ」とは「ウィキペディア」とは必ずしもイコールでない、ということを理解したうえでなおかつ「ウィキ」と略すことを「大したことじゃない」と言い切れるのは、どう考えても論理的におかしいと思う。

「「ウィキ」と略すのは先方との間でそれがウィキペディアであると合意をなしているという前提がある」人との間の話だけ、という趣旨のようだけど、Twitterはピアツーピアな会話じゃなくてやり取りの様子は衆人環視の元だし、おまけに一つ一つのメッセージは短文で、それこそやろうと思えば意図的に都合の悪いツイートを抜いてトゥギャることもできる。

こういう言葉の使い方の間違いは、特に一定のコミュニティを形成している人たちのところに飛び込んでコミュニケーションを取ろうとするときに、コミュニティに受け入れられるか拒絶されるかの大きな境目になると思う。

「私がウィキペディアとそれに関わる人たちが大好きな理由は、「言葉」と「マナー」にこだわる文化が徹底しているから。」って理解してるんだったら、「郷に入れば郷に従え」で、Twitterでも「ウィキペディア」もしくは「Wikipedia」と書いてほしいものです。